第5061回

商業界香川同友会5月例会に招かれて

商業界香川同友会に対する私の印象は、異業種の経営者が学ぶ比較的歴史の古い組織と言うものです。ホームページを見れば、商業界は“店は客のためにある”という経営理念を提唱し、商業界ゼミナールを開催。このゼミの参加者が各地で勉強会を組織し、「商業界ゼミナール同友会」が誕生しました。

そして、商業界同友の皆さんが中心となって企画し運営する、商人による商人のための経営勉強会が、商業界地方ゼミナールです。その一つ香川同友会の例会に、本日講師として招かれたのです。私の話は、「低成長時代の賢い選択・マイホームと生活と」です。

ところで本日の月例会は、まず「商売十訓唱和」から入ります。代表がリーダーとして先導して、会員がそれに続きます。

1、損得より先に善悪を考えよう

1、相異を尊びつつ良いことは真似ろ

1、お客様に有利な商いを毎日続けよ

1、愛と真実で適正利潤を確保せよ

1、欠損は社会のためにも不善と悟れ

1、お互いに知恵と力を合わせて働け

1、店の発展を社会の幸福と信ぜよ

1、公正で公平な社会的活動を行え

1、文化のために経営を合理化せよ

1、正しく生きる商人に誇りを持て

「商いの原点を追求する」ところの「商売十訓唱和」は、盛和塾のフィロソフィーの中にもよく似たものがあります。つまり万般に通じる、普遍的なものと言えると思います。会員はそう多くはありませんが、会長の対馬健三さんは、私が結婚してすぐからですから、かみさんを通じてもう40年近くになります。

司会のハズだった奈良茂子さんも30年来の既知、洲﨑礼依子さんや三好三香穂さんもそれくらい長い付き合いの仲です。さらに商業界香川同友会と言えば、何年前か高松で全国大会を開催すると張り切っていた、安達俊彦さんや寺尾秀司さんが印象的な存在です。

さてさて今日の私の話は、久しぶりに同業者以外への話しで、ある意味新鮮でした。業界人であれば、例えば「定期借地借家権」を「定借」と略してドンドン深掘りするのですが、素人の皆さんは「定期借地借家権」が、「定期借地権」と「定期借家権」の二つからなるというのも理解されていないのです。

当然ですよね。私たちの頭の中では、土地を定期期間貸す「定期借地権」と建物を定期期間貸す「定期借家権」の区別がついています。しかしこれは、業界の常識であっても、世間での非常識なのです。このあたりの些細なこと、だけど理解を妨げている箇所を丁寧に洗い出して原稿を作りました。

お陰で作るところに時間はかかりましたが、丁寧なものができあがり、私も良い勉強になりました。同じ内容の話しを、今日は60分でしたが、次回にもう一度違う組織での発表の機会を頂いています。そこは80分ですから、もう少し丁寧な説明も出来ると考えています。

「マイホームも生活も」ここへ来て、様変わりをしています。特に低成長低所得時代となってきた昨今、これまでの「所有」に「賃貸」を土地だけに加えても、マイホーム購入の選択肢が増えます。

「定期借地権」を使えば、これまで大きく3つの選択肢が5つに増えます。

①土地付分譲住宅新築(土地+建物(新築)2,500万円)・・・105,975円

②土地付分譲住宅中古(土地+建物(中古)1,500万円)・・・63,585円

③定期借地権付分譲住宅新築(借地権+建物(新築)1,200万円)・・・50,868円

④定期借地権付分譲住宅中古(借地権+建物(中古)1,000万円)・・・42,380円

⑤賃貸住宅(一戸建・アパートマンション)・・・8万円

数字はあくまでも概算です。価格帯と住宅ローン額は、25年間元利金等払い全期間固定金利2%として計算しています。そして床面積は、90㎡を想定。これまでになかった③と④が、新たな選択肢として流通すれば、マイホーム選択の幅が広がるのは間違いのないことでしょう。

マイホーム購入者の選択肢になかった「「定期借地権」物件も、さらに1棟1,000万円(90㎡前後)の長期優良住宅(50年・75年・100年)の誕生など、これまでになかった新しい選択肢、これを私は「ドラえもんのポケット」を増やすと表現しています。

買い求めやすいマイホームは、売りやすいマイホームとも言えます。住宅を売ることを考えて、つまり出口を考えて購入している人は皆無でしょうが、「うだつの上がる家」がこれまでの出世家でしたが、今のお住まいはほとんどが夫婦2人。片方に万一のことがあれば、施設入りかもしれません。

長くなりましたが最後にもう一つ、日本のスギ直交集成材を使って住宅は勿論、中高層ビルの建築をするという試みが始まっています。CLT工法(Cross Laminated Timber)と呼ばれて、欧米では広く使われはじめているようです。スギ材を、ボンドで貼り、縦の次は横に材を置き直交させて固めます。

スギは樹齢20年頃の成長期に、二酸化炭素を最も多く吸収して大きくなりますが、成熟すると二酸化炭素の吸収能力は下がるのだそうです。よって伐採をして、植林を促すのが環境保全となります。

また同時に、山での仕事が産まれます。国策としてスギを切り出す道路を付けるとか、山と山に伐採用のワイヤーを張るなど、また団体にインフラ整備のための補助金を出すのも策かもしれません。これも出口の建物解体を想像すると、一石二鳥三鳥になると思いますが、如何でしょうか。

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