第4906回

超少子化社会、脱却への処方箋を読んで

致知出版社から、「致知2016January」が届きました。盛りだくさんの記事の中に、標題の記事に目が留まりました。私も特定非営利活動法人仏生山魂再開発フォーラム(略称:NPO法人仏生山フォーラム)を立ち上げて、まちづくりと人づくりをしたいと考えて、真面目な婚活にも取り組もうとしているところです。

ライターは、㈱ニッセイ基礎研究所生活研究部天野聲南子研究員です。昭和46年生まれと書かれているから45歳です。彼女の年だから、出産育児をした彼女だから書けているレポートです。私の持論に近いものだったために、断りを入れて一部引用させて頂いております。

日本で1人の女性が一生の間に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」(以下出生率)が初めて2.0を下回ったのは1961年、今から半世紀以上も前のことです。そして、1989(平成元)年には、「1.57ショック」を迎え、1995年以降は、恒常的に出生率が1.5を下回る、先進国でも最低レベルの超低出生率社会が続いています。

私(松野)も子どもの数の理想は、3名です。2人で2人を産んでいたら、じり貧ではないかと考えていました。有難いことに、2人の男子に恵まれました。そして調子に乗って、育児に協力しないダメ夫なのに「3人目は女の子が欲しいな」とかみさんに言ったら、「外で作り」と一笑に付されました。

天野聲南子さんは、「女性活躍推進」と「少子化対策」を2本柱とした学術的な研究を専門に取り組んで来たそうですが、他の先進国にも共通する少子化のきっかけとしてハッキリしている現象が、「女性の社会進出」と書いています。私も、そう思います。しかしこれを止めることは、もはや出来ないことです。

政府も危機感を感じて、一連の育児支援策を打ち始めます。まずは急速に増加する共働き世帯の育児支援をすれば、出生率低下に歯止めがかかると考えました。著者も当初は、「働く環境を整え、育児休業を取りやすくすれば出生率は上がるはず」と考えていたそうです。

その認識が変わり始めたのは、彼女自身が高齢出産を経験してからでした。東大を卒業して、日本生命保険相互会社で働いていた彼女は、32歳で結婚されてまもなく妊娠。加齢が原因で2人の子どもを失い、3人目にしてやっと授かったのですが、出産後に体調を崩し、休業を余儀なくされたのです。

私(矢野さん)が直面したのは育児と仕事の両立の壁などではなくて、自分が産みたいと思った時に思うように授からない”年齢”という壁だったのです。そこで着目したが、女性の社会進出に伴って、「第一子出産年齢」が着々と上昇しているというデーターだった。このあたりの記述が、私の意見と相容れるところです。

政府の統計によると、1975年(40年前)に25.7歳だった第一子出産年齢は、1995年(20年前)27.5歳、出生率過去最低を記録した2005年には、29.1歳にまで上昇しています。

この「晩産化」が出生率に顕著な影響を与えることは、医学的に証明されており、女性の生殖能力は20歳後半から低下し始め、36歳を境に急低下していきます。しかし政府は少子化対策として、既に産まれたことを前提にした育児支援に注力し、第一子出産年齢が上がっていること、つまり晩産化に対して無策だった。

そのために、「女性活躍推進→晩産化→少子化→人口減少」という悪循環に陥ってしまったのです。これが日本の少子化対策がうまく効果を発揮しなかった要因と考えられます。

先進国で合計特殊出生率2.0の数字を出しているフランスでは、政府による啓発活動によって、「生物学的な適齢期」が常識として社会に広く認知されているようです。

フランスでは女性の進出が進んだ際、政府と医学界、民間が一体となり、「欲しい時に赤ちゃんをではなく、出来る時に赤ちゃんを」といった宣伝文句で、「生物学的な適齢期」を知らせるキャンペーンを大々的に行いました。極めつけは、2004年(僅か11年前)に、「生物科学庁」の設置です。

フランスでは、また不妊治療に対する国民の知識も高く、不妊治療患者の平均年齢が34歳。対する日本は、現在45歳以上の患者が3割を超えている状況つまり、「高齢不妊治療社会」となっています。その分、治療の成功率も低く、日本産婦人科学会の調査によれば、成功率は40歳で1割程度となっています。

弊社にも、働く独身者子無しが多くいます。批判を恐れず私は、「結婚して子どもを育てて一丁前」と言います。熟女から「セクハラ」と言われておりますが、そろそろ退社を考えてもいて、恐れず「結婚せい!子ども作れ!!」と叫んでいる時に、この天野聲南子研究員の記事に出会いました。

まず独身者に、この現実を伝えることが大事だと考えますが、結婚して子どもを授かることが、人間の尊厳であるという解説も道徳として必要ではないか。国の施策としては、「ある愛の詩」にあったように学生結婚に奨学金を出すとか。結婚できる環境づくりも、なければ出産はおぼつかない。

おかみさん便り http://chichi.happy.nu/24/winter03/

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