第3508回

税務調査は突然に

どこの会社も税務調査と言われれば、何かしら落ち着かないものでしょう。弊社も10年に1度のペースで税務調査が来ています。これまで2度は、お土産ゼロでした。ところが昨年11月かに、税務署職員が来るという連絡がありました。何かなと思って、心配していました。やましいところはありませんが、解釈の違いはあるかも知れない、やはり心配事です。

調査の目的は、土地を売却した売主の申告に対しての質問でした。媒介業務に関することで、弊社の会計調査ではありませんでした。予想だにしていませんでしたが、売却に要した費用中、国土交通省から決められている媒介報酬とは別に、不動産コンサル報酬として売主から頂いた金員が費用として認められるかどうかの調査でした。

もちろん弊社にとっても初めての調査でした。費用が多くかかっていると、益課税(売買代金-原価-費用)ですから利益が減ります。正式には、譲渡課税所得×20%(長期譲渡の場合で国税地方税含めて)で、税額が算出されますが、税務署は申告があった費用について、規定以外のものは認めないという考えです。

私はコンサルをして、通常より有利な条件(売買価格が高い)で売却をして、売主へ貢献しているではないかと反論しました。職員もこの点は認めていました。ところが「不動産コンサルティング業務委託契約書」がないと税務署は言います。これには私も参りました。素直にご免と反省です。

というのも、コンサル契約をしていないといざとなって報酬を払わないという売主がいます。そのために、われわれも業務にかかる前にコンサル契約をしますが、今回の場合は、そんな心配の全く要らない人でした。現に約束通りのコンサル報酬も頂き、もちろん領収書も書いています。もっとも領収書があるから調査に来ているのですが。

「契約自由の原則で契約は口頭でも有効だ」と、苦し紛れに民法上の屁理屈を言いましたが、ここは私の負けです。税務署用にも、「不動産コンサルティング業務委託契約書」は作っておくべきでした。

調査ののち、どうなるかわからない状態で、売主宅へ事情を説明に参りました。「余計に課税されたら弊社が負担します」と正直に詫びました。確かに不動産コンサルが、一般的にあまねく普及しているわけではなく、パイオニアとして関係各署と闘うのであれば、脇を甘くしてはなりません。

今弊社が取り組んでいる「定期借地権分譲住宅」も、法律が出来て20年になりますが、まだまだ定着した形態ではありません。しかしこの低所得の時代に、値下がりする土地の代金を金利を払ってまで買うことはないだろうという考えが、この先5年10年したらあたり前の形態になると思います。

今日改めて売主を訪問しました。お構いなしで、申告通り受理されたそうです。まずは一安心です。

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