たかまつ美しいまちづくりシンポジウム2012









高松市が主催したシンポジウムが、サンポートホール高松第1小ホールで開催されました。副題に、「暮らし(たい)訪れたいと感じるまちに」とあり、早稲田大学創造理工学部教授佐々木葉さんの女性らしい視線からの基調講演60分から始まりました。
佐々木さんの話しは、「これからの景観と地域・まちづくりを考える」というタイトルからイメージする内容と、少し違っていました。「人が住む、生活する」という景観でなければ、単に美しいという風景ではダメだと言う意見が印象に残りました。景観の中には、生き生き生活する人がいて、美しい景観だというのです。
続いてパネルディスカッションですが、1番注目を浴びたのは、高松丸亀町商店街振興組合理事長・古川康造さんです。よく知っている方ですが、昔から商店主が持っている土地を、「所有と利用を分けて取り組んだ」という切り口がはじめてでした。これまでの発言は「建物云々」が多かったと私は思っていました。
ご存じのように、(不動産の)所有権は排他的権利で、極論すれば所有者がその土地を何に使っても自由だと言うことです。ただし公序良俗に反しない限りという僅かな限定だけが尽きます。あの当りは、都市計画法上の「商業地域」ですから、広範囲な用途に活用できます。
それを再開発事業という一定方向へ導き、大成功を収めているのを、私はある種の奇跡だと思います。それであるから、A街区から今工事中のG街区まで、全国からの見学者がせきも切らずに訪れています。また理事長の古川康造さんも、全国に呼ばれています。
高松でのこの再開発事業の成功は、この先10年20年後に結果が計られることですが、一定のルールをそれぞれの街区に持たせ、違うものを構築したところに大きな成功があると思います。もちろん概要は知っていますが、今日の古川さんには余裕というか確信を感じました。
所有と使用を切り離した法的よりどころは、弊社が今春日町で取り組んでいる、「定期借地権」です。一人一人の地主さんから60年間土地を借りて、全体で1つの大きな建物を建築し、地代を支払う。また場合によっては、地代を払いながら公共へ無償貸与(8メートルの道路を11メートルに拡幅)したりして、価値を高めています。
次に圧巻だったのは、銀座街づくり会議企画運営担当の竹沢えり子さんでした。あの銀座にもゆるやかなルールがあって、84ヘクタールの隅々まで「意志」が入っているようです。これにも驚きました。ルイ・ビトンからマツモトキヨシまで、お願いを聞いてくれているそうです。それで今も銀座は銀座でいられるのですか、知りませんでした。
話しが前後しますが、冒頭に「高松市美しいまちづくり賞」の表彰がありました。「仏生山歴史街道高尾邸」も、「法然寺の五重塔」も、栗林公園北門前の「甘味茶寮ほとり・ギャラリーほとり」も建築物表彰(施主+設計+施工者)を受けていました。おめでとうございます。