第3416回

日本の相続問題by東京アプレイザルニュース

同社の芳賀則人社長が、こまめに本音の書き物を贈ってくれています。芳賀氏は、相続アドバイザー協議会の理事長でもあり、不動産鑑定士の枠を超えた見識を披露して下さいます。(無料)定期購読書の中でも、俊逸の作だと私は思って楽しみにしています。

平成19年と22年の遺産分割事件は、遺産総額が5,000万円以下の層がもめる家族としては最も多く、全体の74%を占めています。都会では大部分の戸建て住宅持ちが、相続争いに直面していることになります。4,000万円の自宅+預貯金等1,000万円。

日本の持家比率は(世界規模でも)非常に高く、全国で総戸数約5,000万戸のうち持家は3,054万戸あります。大小はあるにせよ、日本人の3人に2人は、家を所有していることになります。

この現象は昭和30年代初め頃、地方から大都市圏に流入する団塊の世代を中心とする多くの若者(金の卵)のための住まいを提供するために、当時の日本住宅公団が東京圏や近畿圏に大量の団地を(団地サイズと言われる2DK・45㎡)を作ったのが始まりです。と芳賀則人氏は書いています。私もそうだと思っています。

つまりこの宿痾ともいうべき日本人の「持家」志向は、50数年の歴史があるのです。だから簡単に、この文化が崩壊するとは思えません。しかし、この50年間の積み重ねが冒頭に出てくる相続争いの元になるとは思っても見ませんでした。

ここで芳賀氏は「持家」としているのですが、もちろん土地付きの住宅を指しています。ところが時が移り、平成になって「定期借地権」なるものが出現しました。法律施行当初は、土地が高いから借地で、建物豪華でリッチな気分志向でした。

ところが更に時代が進み、試算ザクザクの団塊の世代の次のステージに立つ主役達の懐(年収400万円さらに田舎では250万円)では、安い住宅を求める声の大合唱です。そこで弊社のように、総額が安くて更に資産価値の下がる見込の土地は借地で、建物に重心を置く持家が良いではないですかと考える業者が現れました。

実際に買って住む若者は、これに共感して集まってきますが、これを両親や祖父母に相談すると、「男子の本懐、借地はダメ」とまさに駄目出しが多いのです。ところが投資家は、これとちょっと違います。年収120万円で1500万円の投資額だと8%の表面利回りです。

これが同じようなところの土地所有となると、2300万円程度になると思われます。これだと5%程度の利回りです。投資家になれとは言いませんが、「持家」だから幾ら金を掛けても良いという懐具合の御仁は、そんなに多くなくなりました。

電話で相談 メールで相談