臨時国会の閉幕であの法案は
衆議院国土交通委員会は平成22年12月3日、賃貸住宅居住安定法案を廃案とせず、次の国会で継続審議とすることを決議しました。なお、今国会は3日をもって閉会しました。よって同法案は、年明けに開会する通常国会にて、引き続き審議されることとなります。
また関係諸団体は、同法案を廃案にするべく、政府と野党に攻勢を掛ける模様です。
賃貸住宅居住安定法案をめぐっては、様々な解説が出されておりますが、これまでさほど言及されていないのが、第61条における罰則が両罰規定であるという問題です。
両罰規定とは、企業の内部における従業者等がその事業活動の一環として違反行為を行った場合に、事業主である法人又は個人をも処罰する規定のことをいいます。
第61条に違反した場合、違反者には2年以下の懲役または300万円以下の罰金または併科が科されますが、両罰規定として、その法人に対して300万円以下罰金刑が科されます。
小欄でも度々、この法案については懈怠の悪法だと言ってきました。賃貸住宅の家賃の取り立てについて、「面会、文章の送付、貼り紙、電話を掛けることその他のいかなる方法を持ってするかを問わず、人を威迫し、または(別に)掲げる言動その他の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動はしてはならない。」という法律です。
法案は既に参議院で可決されていて、先の国会中に衆議院で可決されて、4月施行と言われていたのが延期になりました。特に注目することは、参議院では全員賛成です。野党も賛成と言うから、業界人はやりきれません。
先に法案可決の勢いは、衆議院でもその火納まらずとして、せめて対象者に「零細大家」を除くこと等の注文を付けた請願書の署名活動をしました。これであれば、一気に廃案にするための署名を、今からでもすべきです。
あるコラムでは、この「賃貸住宅居住安定法」が可決されたら、賃貸住宅経営はサラ金と同じ運命かと揶揄しています。貸金業法改正により延滞金回収が困難になり、また最高裁が過去の過払い金返還請求を認めて、最大手の武富士までもが破綻です。
違反はどちらも、「2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金」となっています。懲役まであるのですから、大家が滞納者に、「家賃はきちんと払うもの」と言ったら、「威迫した」と滞納者に言われて、大家が「ご免なさい」するしかありません。
更に「夜逃げ借家人の残置物」も、「賃貸住宅から衣類、寝具、家具、電気機械器具その他の物品を持ち出し及び保管する」という同法61条に違反して最悪は懲役です。
二 賃貸住宅から衣類、寝具、家具、電気機械器具その他の物品を持ち出し、及び保管すること(当該物品を持ち出す際に、賃借人又はその同居人から同意を得た場合を除く。)。夜逃げ借家人に同意がとれますか。悪いのは大家さんか、家賃を滞納する人か。どうも変な日本に、なってしまいました。