第2987回

入院3日目の出来事 5/sep/2010

明日が手術ですから、今日からはおとなしく患者顔して過ごしています。そうは言いながら、息子に聞いた気になるラーメン屋が近くにあります。昼食は、ラーメンと餃子と決めて、外出願いを出します。いくら何でも、それ以降は在室とします。

明日からは絶食で、しばらくは辛い日々が続きます。頸椎の手術をするわけですが、手術は先生任せで、麻酔科からも詳細な説明を頂いています。私は注射系が弱くて、辛いと言えばこの注射や点滴ですね。

それらは明日心配するとして、外出します。徒歩圏内に、デパートやショッピングセンターあります。出来たらユニクロへ寄ってみたいものです。還暦前のおじさんの遊園地は、ユニクロ・ロフト・電気量販店ですね。よく似た品揃えの店もありますが、見る目のある人は別にしても、凡人は名前に惹かれてつい入ります。

そこそこにして病室へ帰って、気になっている百田尚樹(ひゃくた・なおき)著「永遠のゼロ」講談社文庫の続きを読みます。珍しく次男に貰った良書です。次男に本を貰うのは、恐らく初めてです。あいつが本をくれるなんて、多少の苦労をしているようです。いろいろな本を持ち込んでいますが、まずはこれから目を通しています。

2009年最高に面白い本大賞第1位です。一口で言うなら、大東亜戦争(第2次世界大戦)で必死に戦う飛行機(零戦)乗りの生き方考え方死に方が克明に描かれています。併せてこの大戦が、マスコミのミスリードで始まり、日本軍関係者の人間軽視の思想が敗戦の原因とまで言い尽くしています。

敗戦の理由を、日米の物量の差としているこれまでの歴史感を、人間軽視の国論(天皇陛下のために死ぬとか、死んでも捕虜になるなとか、生き恥をかくなとか国賊論)が、自由主義(人権大切)世界の米国に負けたとも書いています。

確かに物量の差の開きは、大いにあったと思います。しかし私も感じますが、陸海軍の根底思想(階級絶対主義、兵隊虫けら論)にも、敗戦の原因を感じます。また国論として、1905年の日露戦争勝利からのおごりもあったと思います。

日本人は、「みんなそう考えていますよ」というマスコミ論調にも問題があります。高山記者が勤める大新聞社(著者は書いていないが私は朝日新聞だと思う。)を、元海軍中尉武田貴則(元特攻隊員)の言葉をして以下のように418頁に書いています。

「あなたの新聞社は戦後変節して人気を勝ち取った。(夏の高校野球大会も朝日新聞社主催)戦前のすべてを否定して、大衆に迎合した。そして人々から愛国心を奪った」

 

これに対して高山記者は、「戦前の過ちを検証し、戦争と軍隊を否定したのです。そして人々の誤った愛国心を正しました。平和のために」という言葉に元特攻隊員武田貴則は、「軽々しく平和という言葉を持ち出さないで貰いたい」と一喝しています。

朝日新聞の戦前の論調は、「戦争大賛成」でした。社主は戦争国債を買って、戦争を応援していました。それが戦後GHQから、「論調を改めないと廃刊にする」と言われてから、今の朝日新聞論調に変わったのです。武田貴則の言う変節は、これを言っているわけです。

「永遠のゼロ」はフィクションですから、出来すぎた内容にはなっていますが、主人公「宮部久蔵(みやべ・きゅうぞう)」の唱える、「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、臆病者、非国民、売国奴と言われながらも、必死に生きようとします。自分の周りにもそう指導します。死ぬことが国是であったあの頃、ここまで言い続けた男が、それでも特攻隊員として玉砕します。

後書きで児玉清氏は、「僕は号泣するのを懸命に歯を喰いしばってこらえた。がダメだった。」と書き記しています。私もこれを、結構長編(500頁超)ですが、完読して勇気を貰いました。特攻で死ぬことを考えたら、何と私は幸せなことか。先生!頼みますよ!

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