第2977回

長寿世界一日本の記録は下がるのか

全国で高齢者の所在不明が相次いでいる問題で、大阪市でも25日、120歳以上の高齢者が5125人も戸籍上生存していると発表しています。いずれも大阪市の住民基本台帳には載っていないため、年金の受給実体等はないということです。

これは大阪市が2008年から進めてきた「データーベース化」で判明したものです。コンピュータは整列が得意ですから、その先頭が、1857年江戸末期の安政4年であっても平然と並べています。

また担当者によると、「約290万人分の戸籍があり、削除しきれなかった」とコメントしていますが、まさか290万人分が不明というわけではない、のでしょうね。上記の5125人分と聞いただけでも、大阪の日本の行政マンの矜持はどこへ行ったかと嘆かれます。

この問題は「年金記録」と全く一緒です。誰が責任を取るのですか。誰が怪しいと気づいても放置したのですか。確かに戸籍は、身寄りがなく死亡届や失踪宣告の申し出がなかったり、戦争で一家全員が死亡したりしているケースで申請がなければ、そのままになるのも仕方がないのです。

しかし失踪者が固定資産税や市民税の滞納者となると、市区町村の吏員は探すでしょう。私は仕方ないからおざなりにする、という役所の仕事がまずいと思います。住民基本台帳であれば市区町村で処理が出来ますが、「戸籍」は法務省の管轄だからとうそぶいていて良いのでしょうか。

幸い「平均寿命」を調べている厚生労働省人口動態・保健統計課は、「平均寿命の計算に影響しない」と言っています。これは集計の基になる資料が、面接調査で行われる国勢調査だから。つまり生きている人対象に、データーを集めて計算をしているというのです。数字がウソでなかって、本当に良かった。

よくある誤解ですが、「平均寿命」は、人が実際亡くなった年齢の平均だということではありません。ファイナンシャルプランナーの学習でよく出てきますが、病気などで死亡する率を計算し、各年齢毎に平均であとどのくらい生きられるかを予測した「平均余命」が基になっています。09年の平均寿命は、この年に生まれた子供(0歳児)の平均余命の値です。

この発表が正しいとすれば、戸籍上の生存者も、住民基本台帳上の生存者も、「平均寿命」の数字を引き下げることにはならないようです。しかしもっとも大切なことは、長寿国日本に暮らして楽しいかどうかですよね。これには私も、頭の痛いところです。

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