第2281回

最近の不動産業クレームから二題

賃貸管理の担当者から、「隣からの水が噴き出してきて大変迷惑をしている」という隣人からのクレームで、昨年の今頃10数万円かけて手直しした現場で、同じ人からの謂わば追加クレームで困っていると聞いて、現場へ出掛けました。

文章で昨年の修理前の現況や、専門業者からの修理見積、修理後の状況などを見たのですが、やはり現場へ行くのが一番です。不動産は、現場第一です。過日の大学生インターンシップでも、現場で物件調査や間取り図書きをやらせました。その間にも、炎天下でしたが草抜きもやって貰いました。この業界は、一に現場二に現場、そして机上のコンピュータを駆使した書類づくりになります。

話しを先の現場に戻しますが、隣地の住民は、「去年の工事前より悪くなった」とおっしゃいます。以前は犬走り(建物のまわり30㎝四方)が砂利敷きで、水が浸透していたとか、希望で防水シートを貼ったコンクリートで堅めたのですが、これが気に入らないとおっしゃるのです。

雨中でよく見ると、自分の家からの木の枝が明らかに越境していて、こちら側のコンクリート部分に水滴が落ちています。これを指摘して、「お互い多少のことは目を瞑りませんか」と私が言うと、「木は切ります」と言う始末。また晴れた時に、それでも水が沁みている(吹き出すという状態ではありません)かどうか、確認することで散会しました。水は、高いところから低いところへ自然に流れます。止めるのには、どうしても限界があります。

また売買仲介の案件でも、クレームが朝一番から飛び込んできました。契約をして手付金を頂いて、土地家屋調査士に境界確定をお願いするのですが、実際の現場では、最初に「公的資料を見たらこのあたりが境界です」と言って、予想される境界点を買い希望者へ伝えます。

本日のケースは、対象物件の敷地南側に現在は使われていない農道(明治時代に作られた旧図に農道あったので告知していました)があったために、敷地全体が数十㎝北へよって、測量の結果面積が増えた(公簿取引ですから増えても増額しない)にも拘わらず、自分が考えていた境界が動くのは心外だというクレームです。

契約書にも、「売主は境界を明示して、物件を引き渡します。」と書いていて、契約時には私がそのことを告げて、本人は納得(錯誤だった主張をはじめた)したから署名押印の上、手付金も渡したのではないですかと言っても、錯誤の無効を、そして手付金の保全をしていないことを責めるのです。

しかし法的に手付金の保全が必要な取引は、「業者自らが売主で手付金の額が一定以上の場合」と定められていて、今回のように、売主が個人の場合には該当しません。消費者も勉強しています。われわれは、これに負けてはなりません。

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