平成19年度相続税の物納が激減でも来年は激増?
国税局より、「平成19年度相続税の物納申請状況等について」が発表されました。そもそも19年度という表現はどうかと思います。相続税は人に課税されます、企業には相続税はありません。ならば人は、元旦から大晦日除夜の鐘までが1年間と決まっているのではないですか。企業のように、開始月の選択肢はありません。
このことは置いておくとして、物納申請件数は383件(前年比63%減)、物納申告額が235億円(昨年比50%)と激減しています。
その理由として考えられることは、土地の物納より土地の売却を選択する方が有利だからです。近年東京を中心にミニバブルの様相を呈して、土地の値段が上がっています。(注)このことはあくまでも平成19年度で、今上がっているということではない。
もう一つの理由は、平成16年には広大地の評価方法が変わり、相続税評価が下がり、売却価格の方が高かったことも挙げられます。
そもそも物納制度とは、国税は金銭による納付が原則ですが、相続税については、財産課税という性格上、延納によっても金銭で納付することが困難とする事由がある場合には、一定の財産による納付(物納)が認められています。
では延納制度とはなんじゃろ。相続税額が10万円を超え、納期限までに金銭で納付することを困難とする事由がある場合には、その納付が困難である金額を限度として、申請書を提出の上、担保を提供することにより年賦で納めること(延納)が出来ることになっています。ただし、この延納期間中は利子税がかかります。
ところが聴く話によると、19年の11月をピークとして、東京などの地価も急落しています。「半値8懸け」と言われるほど、土地の値段が下がっています。93年のバブル時は、「国土法」がありました。結果的に1年程度の猶予期間が与えられました。銀座が下がって、世田谷区が下がって、大阪が下がってやがて高松も下がりはじめたと言う感じです。銀行融資が、「国土法」というお墨付きを得てきちんとついていました。
ところが今回のミニバブルは、まずこの国土法がありません。金融庁が不動産・建設業界への融資を絞っています。先に倒産した広島市の「アーバンコーポレーション」がその顕著な犠牲者で、対前年度比売上は3.79倍伸ばしています。東証一部上場企業です。設立は1990年で、この頃に誕生したカタカナ企業は危ないと、週刊ダイヤモンドが書いています。
本日の結論ですが、今やトレンドは1ヶ月単位で見ないと惚けます。来年3月1日から、相続税は大きく変わります。そして、地価の下落を受けて、物納が増加することでしょう。ちなみに、これから数日後に発表される基準地標準価格は、若干上がると思います。基準地標準価格(きじゅんちひょうじゅんかかく)は、基準地価(きじゅんちか)ともいい、7月1日時点における土地の価格(地価)であります。そしてサンプルは、今年の初め頃の、まだ高かった頃の土地引き事例に基づいています。