第8172回

もう一つのセミナーは定期借地権のマンション活用・本郷尚税理士

仕事の中で久しぶりに、定期借地権案件が出てきました。適地を見つけて駆け込んできた買主の希望を聞いて、その土地の所有者に当たってみました。長考の結果、「売らない」との結論を得て依頼者に返します。立地が気に入り、京都から移住するという依頼主は引き下がらない。相談の結果、借地でどうだろうかとの方向性を見いだしました。私は定期借地権の業界から、すでに一歩引いています。

香川県定期借地借家権推進機構と称したNPO法人を持っていましたが、昨年解散しました。1992(平成4)年8月1日借地借家法が改定され、『定期借地』が誕生してからもう30余年。この活用を目途とした研究集団が各地でうぶ声をあげて、各地にNPOが誕生し、事例研究に励みました。先の香川県定借機構も、30年近く資格者養成に腐心してきましたが、今ではその任を解かれて解散です。

一番の理由は地価の暴落で、借りるより買うお客さんが増えたことにありますが、どうしても売りたくないけど利活用の予定がないという人には、定借が適しています。そこで定借伝道師速水英雄氏に、最近の動向を聞いてみたところ、本日のセミナー資料が送られてきました。昨今は、SNSで資料が届くモノで、急に予定を変更し参加するという離れ業もあります。

前段が長くなりましたが、今日の講師は、昨日の江口正夫弁護士が法律の第一人者とすれば、税務の第一人者として名高い本郷尚氏です。ともに国会で、出来たばかりの定期借地権の改正案を提案しています。と言うのも、『定期借地権』はこれまでの日本における『借地権』のあり方を180度変更する考え方で、法律も議員立法で成立していて不備が多くありました。

彼らの助言指導で、紆余曲折がありながら現在に至っています。そのため今では、国県市町などの自治体をはじめ、公団・大学・神社仏閣・法人など多岐にわたり活用がなされています。JR池袋駅は板橋区と共同開発のはしりとしてつとに有名ですが、売れない理由があるところでは、重宝されています。定期借地権という法制度は、世界共通の認識で、実は日本だけが別格でした。

日本も太平洋戦争前までは『定期借地権』でしたが、戦争の銃後の備えのために、「戦争に行っている間に家族が追い出されたのでは適わん」という理由で、改正された経緯があり、終戦後も改正がありませんでした。それが日本に外資が導入されだした1980年代から、外圧で『定期借地借家権』が誕生し翌年『定期借家権』が同じように成立しています。この二つで、『契約期間』が確定し、『権利』も保障され『利回り』が安定されたのです。

今では多くの大型案件で使われ、法律施行当初は疑心暗鬼なところがありましたが、32年経過で安定してきています。現場の「アパート・マンション」いわゆる賃貸物件の契約はほぼすべて、土地も賃貸借契約はほぼ『定期借地権』が活用されています。税制の改正も、これに拍車をかけて、所得税・相続税などでは使いやすくなっています。

ただ制度が成長しただけ、借りたら返すという常識が復活しただけ、契約書の文言が重要になってきています。大事なことは漏れなく文言に書き入れます。今ではこのテクニックが、腕の見せ所になっています。その意味でも最新情報でブラシアップが出来ました。またお客様貢献が出来ます。

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