杉浦日向子の江戸塾
江戸時代の庶民の生活を研究していた杉浦日向子さんが他界したのは、2005年7月22日、46歳でした。何度かNHKの番組で拝見しました。ぽっちゃり着物美人というか、おっとり日本女性というイメージでした。とびっきりの美人ではなかったと思いますが、それでいて存在感のある女性でした。
日本酒が好物で、酒豪という噂も、私の心を広くするのに大変効果的でした。直接のきっかけは、山田照雄さんのところに並んでいた彼女の本です。
火事と喧嘩を仕切る、鳶の頭
「火事と喧嘩は江戸の華」と言いますが、その両方を仕切っていたのが鳶の頭です。
火消しには、大名の自衛消防隊であった大名火消と、それに旗本で構成された定火消しかいませんでした。しかしそれでは町人地の火消が手薄ですので、後に町火消ができました。
ところで火消の衆を形容するのに、よく「いなせ」という言葉を聞きますが、いなせの「いな」とは、鯔(ぼら)の幼魚のことなんです。鯔の幼魚が大川(隅田川下流)を上がっていくときに、背びれを水面すれすれに出していくのですが、その姿がスマートで格好いい。「いなせ」な衆とは、その鯔の背びれのようにすっきりした丁髷(ちょんまげ)を結っているところからきているのです。あと立ち姿がよい、というのも「いなせ」の条件。
面白いのはやはり風俗です。江戸時代ですが、人の営みが紹介されています。銭湯も混浴が多かったようです。風呂の2階は、情報交換の社交場になっています。ここは庶民の井戸端会議の場でした。
面白いですよ、この本は。2020年までに日本は崩壊すると言われています。しかしその後の時代は、「いい時代」で、江戸時代と同じだと言います。なるかどうかははっきりしませんが、とにかくどんな時代だったか覗いておくのも良いのではないですか。
私が読んだのは文庫本です http://www.0011.co.jp/company/diary/files/CIMG2568.jpg