第8678回

香川県条里制農地解消へ

香川県は本年度から、古くから残る小区画農地『条里制農地』の解消に乗り出すという。圃場を区切る畦畔(けいはん)を除去して区画を拡大、農道や水路も併せて整え、効率的に作業が出来る耕地を目指す。初年度は丸亀市でモデル地区を指定、先行的に実施して課題を洗い出し、全県的な整備体制を整える。香川県は、全県で市街化調整区域を廃止した唯一の県だ。農家のみならぬ、非農家の私も大いに期待する。農業の合理化で、より安く良いモノが口に出来る。

条里制農地は、奈良平安時代の区画整理で誕生した水田がルーツ。日本の古代史によると墾田永年私財法(こんでんえいねんしざいほう)」〔743年・天平15年〕から、個人や集団が開墾した土地はあくまで個人のモノです。この条里制では、1町(約109㍍四方)を10分割した単位区画とし、小規模な水田が並ぶ農地が整備された。

香川県の讃岐平野では、古くから平野部で条里制農地が広がっていた。高松市など宅地化が進んだ地域ではほぼ姿を消した一方で、丸亀市を中心とする中讃平野部では多く残っている。1区画が狭く、農道が十分に整備されていないために大型の農業用機械が使いづらい。農地の中には耕作放棄地が散在するケースも多く、整備が課題となっていたが、圃場がコンクリート製の畦畔で区切られているため思うように進んでいなかった。

そこで県は本年度から条里制農地の整備に向け、コンクリート畦畔を撤去するための補助制度を創設。併せて、大型農機が通れる農道や水路を整備する経費負担も行う。問題は、所有権をどうするのだろうか。収穫物をどのように分けるのか。ハード的に農地を大規模化することは比較的簡単だが、そこに介在する所有権がやっかいだ。このあたりの調整が進まないと、折角の計画がたちまちに頓挫しかねない。

先の制度は戦後の小作農創設(農地解放政策)まで、変わらなく続き、小作人が農地を所有するようになったが、所有権の概念が変わっていない。これが面倒だと私は思うのですが。さて丸亀市はどうするのか。

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