漆研展に行きました2026

3月7日(土)から15日(日)の予定で、香川県漆芸研究所修了作品展『漆研展』が、香川県文化会館2階の香川県漆芸研究所で開催されています。私は元来芸術という分野は造詣がなく、強いていえば絵画や彫刻がほんの少し分かる程度。分かるといっても自分の好みに合うか合わないか、全くの素人眼です。漆研展は、昨年も見学に行きました。身近に3年生の村川凜さんがいて、毎回声がかかります。
香川漆芸の技法は、彫刻刀や剣による彫りの技術と黒や朱に加え、色漆による色彩豊かな漆の使用が特徴である蒟醤(きんま)、存清(ぞんせい)、彫漆(ちょうしつ)の技法を香川の三技法としています。また竹ひごを編み器物とする藍胎(らんたい)も、香川独自の素地制作の技法です。展示会では、これらの技法を用いて制作した作品を展示しており、一部購入も受け付けています。その途中経過は、白板に書き出されています。
論より証拠、作品を見てもらうと良く分かるのですが、作品に触れるのも係員が手袋をして、撮影も可か不可が良く分からず、とりあえず文章で紹介します。
[彫漆]
各種の色漆を数十回塗り重ねて漆の層(100回で僅か3ミリ)を作り、その層を堀下げることで、文様を浮き彫りにする技法。
[存清]
漆を塗り重ね、色漆で文様を描き、剣で輪郭や細部に線彫りを施し、彫り口の凹部に金粉や金箔を埋めて文様を引き立てる技法。
[蒟醤]
漆を塗り重ね、剣で文様を彫り込み、彫り込んだ溝に色漆を埋め、表面を平らに研き、意図した文様を表現する技法。
これらの技法を駆使して、作品が出来ています。凜さんの作品は4点ありましたがうち1点、『蒟醤文箱「百鬼夜行」97,000』だけが売り物で、人気ランキンがダントツ1位でした。両親の2票が入っているとしても、ダントツ人気でホッとしました。『百鬼夜行』は平安時代の歴史書『大鏡』の藤原師輔が妖怪の行列に遭遇した話から出来た四字熟語と言われていますが、平安時代の説話・歴史物語に見られる“妖怪が夜に列をなして歩く”という観念・伝承から生まれた表現です。
魑魅魍魎(ちみもうりょう)を蒟醤(きんま)で表現したのは、漆芸の極致とも言えそうで、色漆の重なりが人々の平安の都の闇に潜む不安や畏れが、四字熟語として凝縮されていると考えると、歴史的背景と文化的想像力の豊かさが感じられます。私よりかみさんが、たいそう気に入ったようで、離れようとしないのですが、空腹が問題を解決してくれました。