第4950回

坪多晶子税理士が読み解くどうなる平成28年度税制改正

特定非営利活動法人近畿定期借地借家権推進機構が主催する、平成27年度第3回研修会です。この時期は、今仲清税理士と坪多晶子税理士による、新年度税制改正の解説です。ところが本日は、今仲清税理士が公務出張のため欠席で、坪多晶子税理士のところの境内生(けいだいいき)税理士が、掛け合いの相棒でした。

会場はいつもの、大阪本町にある「ヴィアーレ大阪」2階です。60人ぐらい集めています。たいした人気です。ところでその前に、バスで移動をしましたが、流石に言われなくてもシートベルトをしています。私はもとからシートベルトをするタイプですが、今日のお客様は言うことをきちんと聞いています。

途中淡路島の室津パーキングエリアで、ファミリーマートの「昔懐かしいナポリタン」を買って、暖めてもらいました。これは結構美味しかったですね。コンビニ弁当の味が良くなっているとは聞いていましたが、期待以上のものでした。坪多晶子税理士によれば、コンビニの外で食べたら消費税が8%とか。

その、消費税の話しだけでも驚きました。消費税は29年4月1日から、現行の8%から10%になる予定で準備が進んでいます。前回もそうでしたが、建物の請負契約にあっては、引渡しがH29.4.1以降であってもH28.9.30(6ヶ月前)までに契約をしておれば消費税率8%が適用になります。

そのために建設業界には、また駆け込み需要が見込まれていますが、当然その反動が怖いのです。政府もこれを予知して、次の飴を用意しました。「住宅取得等資金贈与」ですが、直系尊属(父母・祖父母)から20歳以上の者への贈与。

平成27年は、良質な住宅用家屋に1,500万円それ以外の住宅用家屋で1,000万円が非課税でした。これがH28年1月~H28年9月までは、良質な住宅用家屋に1.200万円(その他の住宅用家屋700万円)、消費税が予定通り10% になった場合にはH28年10月~H29年9月は何と3,000万円(2,500万円)が無税贈与枠として用意されています。

ただしリーマン・ショック(2008 年 9 月 15 日,アメリカ証券業界第 4 位のリーマン-ブラザーズが連邦破産法第 11 章の適用を裁判所に申請し,経営破綻したこと。これに端を発し,世界的な金融危機が引き起こった。)級の嵐がないことが条件です。

万一10%にならなかった場合には、前のまま据え置きです。さらに今度は、手の込んだムチが用意されていて、H29年10月~H30年9月の契約(これまで全て契約の締結日)では、H27年度水準の1,500万円(1,000万円)に戻します。つまり受注枯渇が予想されている時期に、そこに一点集中して贈与枠を大きく広げています。

政府税制調査会のやり方は、実に巧妙で狡猾です。そもそも平成28年度の予算案は、96兆7200億円ですが、歳入は税収が57.6兆円でその他収入4.6兆円、そして喧伝されている国債発行額が34.4兆円で、これは前年比2.4兆円の減になっています。

内訳は額の多い順に、所得税17.9兆円に消費税17.1兆円(消費税は1%で2兆円になります)。法人税12.2兆円ですが、これはH25年の9兆円から税率(36→29%)を下げての増額です。そして相続税の1.9兆円、その他8.5兆円の合計57.6兆円です。相続税増税も大騒ぎしていますが、消費税1%程度分の税額に過ぎないのです。

これに対して日本の社会保障費は、115.2兆円です。給付(支払)額は、年金56兆円、医療37兆円、介護・福祉・その他が22.2兆円です。これの9年後(H37)には、148.9兆円に膨らむと予想されています。これの対策の一つが、「マイナンバー制度」の導入です。

政府はマイナンバーで、社会保障費の圧縮を狙っています。将来的には、高額所得者や資産家には、年金がなくなるかも知れません。これまでの右肩上がりの景気社会では、「まあ良いか」と許されていたものが、これだけ切羽詰まったらなりふり構わず解決策を模索します。

また政府は介護にあっては、在宅介護を奨励しています。住居費と食費は、自分達で賄って頂戴として、自宅のバリアフリーリフォームにも予算をつけ、またサービス付高齢者住宅の割り増し償却も残しました。償却割合は14%から10%に減しますが、割り増しは続きそして全ての期間を通算したら同じになります。

「サービス付高齢者住宅」の補助金制度は、存続予定です。在宅介護、在宅看護が自宅でどうしてもできない人用の集合住宅が、「サービス付高齢者住宅」です。老人寮のようなもので、個室が用意されて、食事も宅配若しくは調理したものが提供されます。

まだまだ沢山のネタがありますが、このくらいにしておきます。改正の目玉の「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例の創設」は、これまで小欄に書いた私の文章に間違いがありませんでした。820万戸(H25)の空き家が、毎年約6.4万戸増えているという統計もあります。何とかしなければ。

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