第3917回

消費者求める機能集積 高松市の再開発学ぶ 街なか創生協 石巻

被災者の宮本嘉二さんから、2013.03.21三陸河北新聞に掲載されていた記事が送られてきました。商店街再開発の成功事例を紹介する古川氏=石巻商工会議所

 コンパクトシティいしのまき・街なか創生協議会(浅野亨会長)は18日、石巻商工会議所で「中心市街地再開発事業勉強会」を開いた。計画を阻害するさまざまな法規制の壁と向き合いながら型破りな商店街改造で再開発に成功した、高松市の古川康造・高松丸亀町商店街振興組合理事長を迎え「これからのまちづくり戦略」を演題とする講演を聴いた。

 古川氏は、土地の地権者と利用者を分離し、まち全体を白紙にして再開発をするという、従来の概念を打ち破る手法で取り組んだ全容を説明。土地の所有権と利用権を分離することで、地権者に配当として地代が入り、ここに課税されることで税収増につながると効果を紹介した。

 実施に当たっては、地権者の出資でまちづくり会社を作り、地権者と定期借地権契約を結び、会社が建物を整備、所有した。一定期間土地の利用権を放棄することで、テナントミックス(業種の再編成)を行い、消費者が求める機能を集積させにぎわいを創出した。

 高齢者を対象にした医療モールを完備したマンション建設、販売の事例も紹介。住民のかかりつけ医の役割を果たし、中心市街地に居住者を呼び戻すことに成功したという。

 開発に当たっては、中心市街地はインフラが整備されており、郊外に比べコストが掛からないことに触れ、効率的な都市経営を構築する必要性も話した。

 個々の利益より、全体の利益を優先する時代がやってきたことにも言及し、再開発に当たっては単に商業者の生活設計のための事業ではなく、一般消費者の立場に立って考えることの重要性も指摘。「まちづくりに必要なのは地域に対して責任を負う本気の覚悟とコミュニティー」と強調した。

古川康造さんは小欄でも何度か登場した、高松の超有名人です。定期借地権を使った旧市街地再開発事業推進のリーダーです。地元の丸亀町商店街やシンボルの「三町ドーム」にも全国から多くの見学者が来高されています。地元飲食業界にも貢献大の、実業家です。辛口の口調は、兄さん古川健造氏とよく似ていますが、ポイントを抑える兄弟の技も先代譲りかも知れません。

私も復興には定期借地権の活用が、そして建設した建物の賃貸借契約には定期借家権の導入が有効であると思います。日本の国において「所有権」は、強靱な個人に与えられる権利です。一方英国などでは、土地は女王陛下からお借りしたものと考えられています。農耕民族の日本人は、土地を自分のものとしたがります。

話しはフィリッピンセブ島沖合10㎞に浮かぶカオハガン島に飛びますが、この島を個人所有する崎山克彦氏は、「土地は神様からの借り物、少しだけ良くして神様へお返しする」と言い切っています。私も不動産業界にいて、土地の所有権斡旋をしていますが、この考えに大賛成です。

正確に言うなら、「所有するも」「賃貸するも」良しという考え方です。どちらか一方に限定すべきだとは考えていません。特に被災地にあっては、所有権を持ち出すと時間がかかりすぎて、復興という前向きな考え方がしぼんでしまいます。定期借地権という法律を使い、例えば石巻市が土地を借り上げるんですよ。

そしてそこに店舗なり、住宅を建設する。これは都市計画に基づくことは、当たり前。その期間は法律に則って、実用化されている長期間の50年とか60年間とか、長期間に渡っての土地の使用が叶います。地代は市が管理して、所有者がはっきりしている人にはそのまま地代を渡し、行方不明の場合には市が預かれば良いのです。

時間があればまた平時であれば土地区画整理法の活用も街づくりに有効であることは間違いの無いところです。しかし今の被災地には、そんな10年とか20年の猶予はありません。私の持論であります、「住居」と「仕事」が復興の必要絶対条件です。常識にとらわれていては、1000年に一度のあり得ない(非常識)な災害には勝てないですよ。

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