第3843回

石巻で最大規模の被災ビル所有の松栄不動産

松坂卓夫社長の松栄不動産が、石巻市中央2丁目に所有していた350台の自走式駐車場6階ビルの解体が、国費によって賄われると専門誌に書いてあります。私も震災後の4月に石巻に入りましたが、ビルは何事もなかったかのように威風堂々としていました。

そのビルを松坂卓夫社長が所有していると言う事実は、もちろん後になって仙台の復興対策室へ出向いて知ったことです。松坂卓夫社長の松栄不動産は、仙台市が本社です。この復興対策本部は、アパマンショップネットワークと日本賃貸住宅管理協会、全国賃貸住宅ビジネス協会の三組織が共同で設けた対策本部でした。この対策本部も、松栄不動産ビルの中にありました。

石巻の松栄不動産のビルは、町中の大変便利なところに建っていました。平成3年のバブル真っ盛りの頃、土地建物あわせて22億円を投じて建設した物だと聞いています。その頃、大型スーパーの出店が噂されていたのですが、結果出店はなくなり、採算が向上しないまま災害避難場所として「まさかの時には松栄ビルに逃げろ」と言われていたそうです。

国費で解体されるのは、40名もの人命を救ったこともあろうかと思いますが、次の再開発ビルの構想に、この土地2200㎡(665坪)が必要となるからでしょう。解体費は1億円程度かかるでしょうが、松坂卓夫社長は、解体費の国費捻出はありがたいといいながら、次の「全国初の避難・防災ビル」に大きな夢を抱いています。

私も大学時代も含めて何度か、石巻に行きました。小欄によく登場する被災者の宮本嘉二さんが住んでいます。年末には新しい社屋が完成したと連絡が来ました。この建物は海岸近くに建てましたが、先の松栄ビルは海岸線より少し離れたところ、ダウンタウンの一角にあります。私がヘドロを取り除いた、宮本嘉二の姉夫婦の店に近いところです。

この辺りは低層階を商売の拠点に、高層階を住居にと言う計画が、再開発案として浮上しているようです。急ぐことから、定期借地権を利用する案も検討さています。その中心に、防災ビルの建設が計画されていますが、初期投資の22億円のうち5億円の残債は残ったままです。

「自走式駐車場の場合には、緩やかな坂道で屋上まで行けるから車椅子でも上がることが出来る」と松坂卓夫社長は意気込んでいます。第6回目の地権者関係者意見交換会が今月予定されているようです。松坂卓夫社長は街づくりに参画する不動産業者のパイオニアになることでしょう。私も見守っています。

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