不動産流通近代化センタースペシャリティ講座2012年7/31



「今!アジアが熱い!」アジア各国における不動産取引事情をわかりやすく解説!と題した、近代化センター主催のセミナーを受講しました。講師はセンターとしては不動産プレイヤー(実務家)が比較的多いのですが、珍しく日本大学周藤利一(すとうとしかず)教授、学者先生です。
大学教授がアジアの何を話すのか、それが不動産取引関係だとは想像できましたが、その先がわかりにくい。昨日の全宅連等理事会の流れで、聞きに行きました。不動産流通近代化センターも公益財団に移行後、アクティブに講座を開設しています。それも毎回、ほぼ教室は一杯の受講生です。
内容は、中国・台湾・香港・シンガポール・韓国における不動産取引事情の比較検討でした。「不動産事情」となると制度比較かと思いますが、「不動産取引事情」と書かれると、シンガポールの不動産はいくらで、投資物件として最適ですよと言わんばかりに聞こえます。しかし内容のすべてが、制度比較でした。
おもしろいことに日本が占領統治していた国、たとえば台湾などでは、日本の民法が持ち込まれ、それに準拠した制度となっていたのです。戦後この制度が改められて、「物権変動行為(売買契約等)は、書面で行うこと」が義務づけられています。
この考え方が、今ではグローバルスタンダードになっていますが、これに対して日本のローカルルールは、「効力要件主義」つまり売買の成立は、売主買主の「合意」言い方を変えれば「意思の完全な合致」によるとされています。早い話が、口約束も契約成立であり、後日のトラブルを避けるために補助的に売買契約書を作成しておくというものです。
従ってどの国にも登記制度があるわけですが、日本のように登記するもしないも自由(一部たとえば建物を新築したときの表示登記・木造瓦葺き1階なん㎡などは義務)が原則ですが、日本以外の東南アジアの少なくても冒頭に掲げた国においては、登記がなければ権利の主張ができないことになっています。
おもしろいことに台湾では、相続登記を6ヶ月以内にしない場合には、その相続物件の不動産は、行政の管理、つまり国のものになるのです。これは痛快ですね。日本のように「一坪地主」のわがまま、自分の土地は自分が勝手にするというわがままは、早い時期に解消すべきです。
日本の不動産は公益が今以上、たとえば51%程度で私権(所有権)に勝り、私権は49%以下で良いのではないかと考えています。ただし私の考えは、不動産業界の異端であることも自覚しています。私権が半分以下となると、価格がまた暴落しそうです。
私はかつて、香川県不動産同友会という40名程度の若手不動産業者の集う会の会長で、「不動産神話が崩壊する?」というシンポジウムを主催したことがあります。平成3年1月末の開催でした。奇しくもバブル崩壊を予見したようなものでした。「あの日から高松の不動産は暴落した」と未だに言われています。
話が脱線しましたが、東南アジア5カ国に共通しているのは、不動産業者の地位が例外なく高いのです。日本で言う「宅地建物取引主任者」制度のような資格制度があって、毎年の合格率は15%程度の狭き門だというのも極似しています。
ここからは余談ですが、モノレールを待っていたら、特定非営利活動法人香川県定期借地借家権推進機構の副理事長の國村年さんに会いました。しかしこれが私の勘違いで、若者には大変不快な思いをさせてしまいました。大上二郎さんという福岡市に本社のある水処理会社の東京支店営業部長さんでした。思わず写真撮影をお願いしました。どうですか似ているでしょう。