国庫補助民間住宅活用型住宅セーフティ事業開始
一口で言うならば国が、民間賃貸住宅のリフォーム費用を補助するというものです。国土交通省は5月25日から、「2012年度民間住宅活用型住宅セーフティネット整備推進事業」の募集を開始しました。
12月28日(金)(必着)まで受け付け、2012年度予算に100億円を計上しています。概算では1万戸規模を目途に募集しますが、応募状況により予算が消化されれば、途中で締め切る場合もあるという但し書きつきです。
すでにわが国の住宅ストックは、平成20年時点で約5760万戸に及び、全国世帯数約5000万世帯を15%も上回り、量的充足は十分な現状です。しかし、その流通が必ずしも上手く機能しているとは言えないのも現状です。広い住宅を求めている子育て世帯に狭い住宅が、老夫婦2人の世帯に200㎡の住宅で掃除もままならないとか。
「民間住宅活用型住宅セーフティネット整備推進事業」は、既存の民間賃貸住宅の質の向上を図ると共に、空家を有効に活用することにより、住宅確保要配慮者の居住の安定確保を図るとともに、災害等には機動的な公的利用を可能とする環境を構築することを目的としています。
1戸以上の空き家がある、専有面積25㎡以上の賃貸住宅(戸建含む)が対象です。ただし問題は、補助を利用できるのは地方公共団体の窓口がある、「事業実施可能地域」の賃貸住宅に限られることです。
お粗末なことにこの「事業実施可能地域」ですが、現時点では14都府県にとどまり、四国では徳島県だけ、関西では大阪府のみが現在対象となっております。国土交通省は、「全国の地方公共団体に呼びかけていて、徐々に他の地域でも利用できるようになる」としています。
国庫補助ですから、足かせが付くのも納得です。リフォーム後は、「住宅確保要配慮者」と言われる、高齢者世帯、一人親世帯、障害者を持つ世帯等の入居を拒まないことを条件に、補助をするというものです。まず「住宅確保要配慮者」を対象に入居募集をします。
これは募集から3ヶ月間優先入居ですから、この期間に「住宅確保要配慮者」からの入居希望がなければ、一般に貸しだしても良いことになります。また10年間の賃貸期間が終了すれば、自分で使用することも出来ます。だから定期借家権契約の活用が絶対に必要になります。
補助対象となる改修工事は、(1)耐震改修 (2)バリアフリー改修 (3)省エネルギー改修のいずれかを含む改修工事です。今流行の太陽光発電装置は、(3)に該当し改修工事に含めることができるかと思います。バリアフリーと言っても「手摺」を付けるとか、そんなに高いハードルではありません。
補助額は改修工事費の3分の1で、戸当たり100万円が限度額となっています。国は継続可能な住宅行政として、新築を捨て中古住宅の活用を中心に据えました。今あるものを手直しして使おう。親子三代が一つの住宅を修理しながら使う。これからの少子高齢化低所得時代の実態を見据えた実りある政治です。