賃貸住宅居住安定化法の廃案
世も末かと思うほどの悪法「賃貸住宅居住安定化法」が、無事9日廃案になりました。大家さん等が賃借人に対し、「面会、文章の送付、貼り紙、電話を掛けることその他いかなる方法を持ってするかを問わず、人を威迫し、または(別に)掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような行動をしてはならない」というものです。
普通に読めばあたり前のようで、何とこの法律は今年の夏頃、参議院では全員賛成で可決していたのです。与野党通じて、反対者はゼロでした。私たち不動産業界の人間は、唖然としました。おそらく1000年は続いていると考えられる「あたり前」を、犯罪とする法律の成立です。
家賃を払わない賃借人(部屋を借りている者)に、大家さんや不動産管理業者が「家賃を払いなさいよ」と言って、相手が「怖い」と感じたら、大家さん等は逮捕され2年以下の懲役、若しくは300万円以下の罰金が科せられるという法律です。
私はその前の春頃に、「滞納家賃の督促」に行って、滞納者から「脅迫された」として警察に訴えられ、事情聴取をされました。「家賃払わんのやったら、出て行きまい」と言いました。別に行った妻も、社員も、大家さんまでもが警察に呼ばれました。
何でもかんでも今の世の中は、「弱者保護」の時代です。滞納者は生活困窮者、つまり弱者ですから、弱者をいじめて困らせてはだけですよ。やさしい社会を作りましょうね。馬鹿いってんじゃないよ。その前に世の中には、公序良俗というものがあります。
われわれはよく、家賃滞納は、無銭飲食と同じだと言います。無銭飲食は現行犯逮捕なのに。すると司法当事者はしたり顔で、「無銭飲食は食べる前から犯罪を、つまり金を払わないことを決めていた。時間にしたら僅か1~2時間前のことだから、確信犯だ」と言うのです。
これに対して家賃滞納は、月初は払うつもりだったが一ヶ月の間に事情が悪化して払えなくなった。つまり最初から、犯罪を予定していたわけではない」と言うのです。サラ金規制法同様に、法律で大家等を取り締まるという法律ですが、大家さんとサラ金が一緒ですか。
衆議院も通過するものと言われていましたが、自民党等議連に猛烈に圧力を掛けて、廃案に追い込みました。継続審議ではありません。民主党政権では、「想定外」のことが多くて、政府法案の成立率は34%です。これは外圧と言うより、何も出来ない野田政権のなせる技珍事と言った方が正確かも知れませんね。