敷引及び更新料判決と今後の賃貸住宅経営


NPO法人近畿定期借地借家権推進機構が主催する、平成23年度第2回研修会でした。昨日の盛和塾関西塾長例会の延長戦で、参加しました。講師は宮崎裕二弁護士です。初めての出会いでしたが、レジュメからして、分かり易い。
敷引というのは、建物賃借人が賃貸人と賃貸借契約を締結した際に、預託する保証金などを退去時に一部を還さないという制度です。もちろん契約書に一義的かつ具体的に記載されていて、賃料の額等に照らし高額すぎないことなどが前提となっています。
更新料は、普通借家契約で契約期間が満了した際に、さらに契約を継続するために支払う対価で、敷引と同じような条件が付されています。いずれも部屋不足の時代に取り入れられた制度ですがこの2つについて、平成23年今年は賃貸住宅経営に関する重要な最高裁判決が続きました。
ところで最高裁判所ですが、全部で15人いる裁判官が、第一小法廷、第二小法廷、第三小法廷にそれぞれ5人が配置されているのだそうです。つまり固定チームです。もちろん憲法違反などの重要案件は、大法廷で15人全員で審議します。
以下は、宮崎裕二弁護士のレジュメからです。
本年3月の保証金の敷引金の判決が出るまでは、賃貸住宅の一時金、すなわち敷引金や更新料、さらには礼金について、第2の過払金問題になるのではないかと、一部の家主の方々は戦々恐々としていた。
ちなみに、第一の過払金問題とは、サラ金やクレジットの利息制限法に違反した利息を取っていたことに対する、利息制限法で計算し直しをした場合の返還問題。この裁判がここ数年急増したことから、殆どのサラ金は商売を続けられず廃業に追い込まれ、あの武富士までもが会社更生の申立てを余儀なくされた。
もしも、賃貸住宅の一時金について、同様なことになったら家主側にとっては大変な損失となっていたわけだが、サラ金が明らかな法律違反をしていたのと異なり、こちらは何も悪いことをしていたわけではない。
最高裁が消費者契約法の適用について慎重な姿勢を示したことは、大変賢明な判断であったと思われる。もっとも最高裁の裁判官の中でも保証金の敷引について意見が割れているように、今回の最高裁判決がいつまでも続くとは限らない。
宮崎裕二弁護士は、「消費者保護の流れは確実に進んでいる。契約済みの分については、まず無効とならないだろうけど、調子に乗りなさるな」と警鐘も念押ししていました。