アルベルト・ザッケローニ監督の魔術
サッカーアジア大会で、25歳の若い日本チームがオーストラリアを1対0で破り、公約通り優勝しました。私が言うまでもなく、国民みなさまの知るところではありますが、一言私の見たアルベルト・ザッケローニ監督と、チームのことを書かせて下さい。
監督はイタリア人です。サッカーのスタイルはヨーロッパ流、体の大きな選手の激しい体のぶつけ合いの中から一瞬の勝機をものにする、狩人スタイルです。昨夏ジャパンの監督に就任として顔がテレビ画面に出たとき、私は彼の面構えが確かにゲルマン民族ではあるのですが日本人の顔によく似たものを感じました。大変好感が持てました。同時に大変期待をしました。
このところのジャパンは、岡田ジャパンでワールドカップの予選突破をするなど、その力は世界レベルにあると思っていました。しかし岡田ジャパンでは、ここ一番の頂点へ登り詰めることはないとも考えていました。岡田監督は、盛和塾生で、身近にいたことも2回ほどあります。勿論サッカーのことを話すことはありませんでしたが。
しかし私は、岡田監督の功績は大だと考えています。今回のアジアでのトップは、世界を見据えた練習や試合を経験した岡田ジャパンだからできたと思います。「ベスト8」という目標設定も、岡田監督ならではのこと。しかし一朝一夕に成長はないのです。コツコツひたむきに、誰にも負けない努力をすることしか勝つ方法はなかったのです。
延長後半の李忠成(りただなり)選手の得点をサポートした長友佑都選手は、準決勝の韓国戦の後、多くが勝利者インタビューを受けているときに、クールダウンのランニングをしていました。ここが彼のあの走りを作っているのでしょうね。多くが李忠成選手のボレーキックを賞賛しますが、私は長友佑都選手のアシストを褒めたいと思います。
さて話をアルベルト・ザッケローニ監督に戻しますが、彼の選手時代の活躍は全く知りません。全日本の監督として招聘するからには、監督としての采配には定評があったのでしょう。期待して観た予選第1試合に、私は大きく失望しました。負けはしなかったが引き分けに終わってしまった。これが大金をはたいて招聘した監督の試合采配かと疑ったものでした。
ところが試合を重ねる毎に、もっと言うなら選手を替えるたびに、交代で入った選手が大活躍です。これはザッケローニ監督の魔術としか言いようのない現実でした。出場5試合で1得点だった本田圭を、「お前は出来る」と高く評価し、その証として、韓国PK戦の一番手として起用し、本田はその期待に見事に答えました。あの1本で韓国キーパーは、恐らく「日本はとめられない」と感じたのではないでしょうか。
選手の力を信じて、己の考えを選手の考えにする手法。それはもうテクニックではなくて、心の共有化でしょうか。後半戦ザッケローニ監督は、右MF藤本に代えてDF岩村を投入し、DF今野を中盤にまわす指示をしたと言われています。
それ指示を選手らが拒み、結果監督もそれを認めて長友佑都選手が左ミッドフィルターの位置に入り、李選手の決勝点のアシストに成功したと言われています。11人全員で臨む試合が出来たと思いました。
最後にゴールキーパー川島のファインセーブを、褒め称えたいものです。一発退場の恨みを晴らして、お釣りの来る大活躍でした。関係者の皆さんに、勇気を貰いました。やれば出来るのですね。一層このチーム関係者で、内閣を作ったらどうですか。今も素人集団がやっているくらいですから。