相続財産の共有は共憂か
相続を勉強する不動産業者など「相続アドバイザー」は、相続時の不動産物件の分割に、「共有」は出来れば避けたいと考えています。ご案内の通り、不動産は物的には分割しにくいもので、おのずと「共有」という持分登記がよく使われます。
ほんの一部ですが、司法書士のなかにも「共有」でやっつけ仕事をかたづけたいと考える人もいます。その諸悪の根源は、民法に定める法定相続分が大いに関係しています。
配偶者と子供3人が相続人の場合は、配偶者が半分を、残り半分を3人の子供で分けて、子供は一人1/6ずつ受け取るという分割です。
しかし民法の定める法定相続分は、相続人間の話し合いで円満な分割協議が出来ない場合に、「万やむを得ない状況」の時に使うように期待されてつくられたものです。それが実際の協議の現場では、法定相続分が唯一の分割ルールになっています。
これに抗する者が先の「相続アドバイザー」であり、そうでないのが一般的専業者がタッチするなケースです。
ところで今日は大安で、土地の売買取引がありました。売買価格は600万円。何と売主は6名です。もちろん相続物件ですが、姉妹6人の均等共有物件です。既に故人となった代襲家族もいらっしゃいました。
6人は東京、神戸からの来高者もいらっしゃいます。銀行からの融資の返事が遅れて、ぎりぎりの調整が続いていました。昨今の不動産取引は、その登記に携わる司法書士が「本人確認」を求めて、関係者が全員揃わなければ登記をしたがらないのが現実です。
また今日の取引では、一時買主が住民票を九州から持ってきていないと言うものだから、登記が出来ないこととなり、一時騒然としましたが銀行の配慮で売買代金の支払いは出来ました。
契約書にも領収書にも、引渡書にも6名の署名がもちろん必要です。長い長い銀行での2時間でした。