35年ぶりに行きました神田のやぶそばへ

大学に入って暫くして、教授から「やぶそば(千代田区神田淡路町2-10)」で蕎麦をご馳走になりました。その時のことを今でも鮮明に憶えています。確かに美味しい蕎麦でしたが、それよりも何よりも、この量の少なさにビックリしました。せいろ蕎麦を三枚頂きましたが、東京の蕎麦というものは、「上品」を旨としているのだなと感じました。
その頃の私は、自分でも蕎麦を打っていました。うどんも蕎麦も、手打ちで作っていました。似て非なものでした。
今回私の行った「やぶそば」は、35年前とちっとも変わっていませんでした。行く道々は建物が建て替わり、迷いながら、聞きながらたどり着きました。今となっては、ビルの谷間に木造建物が残っている感じです。
建物の中は、机の並べ方も、帳場の位置も、全く同じです。私が行った35年前でも、築後半世紀と言われても不思議のない雰囲気を醸し出していました。
文豪もかき揚げを食べながら、日本酒を飲みながら、蕎麦を楽しんだと書かれています。今日も昼から、日本酒をなめている老若男女もいます。恵比寿麦酒も出ていましたが、やはり似合うのは「お酒」ですね。
ただ一つだけ「違い」に気づきました。帳場で、注文を通す人が変わっていました。過去には60過ぎの男性でしたが、今日は30代の美しい女性と、その親らしき女性が着物姿で甲斐甲斐しく働いていました。
語尾を上げて伸ばす、独特の口調は同じでしたが、女性の声はよく響きます。
古き良き日本がここには残っていました。ちなみに、せいろ蕎麦は700円でした。待って並んで食べるのは、さぬきのうどんと同じです。