第1762回

いで(農業用水路)ざらい(掃除)は讃岐(香川県)の風物詩

ここ讃岐には、大小合わせて15,000弱のため池が点在しています。一番大きな「満濃池」は、「国営さぬき満濃公園」として整備されています。満濃池(まんのういけ)は、香川県仲多度郡まんのう町にある日本最大の灌漑用のため池で、空海が改修したことでも知られ、周囲約20km、貯水量1,540万tであります。また満濃太郎とも呼ばれています。

それでも昭和60年頃と比べますと、1,700ものため池が埋め立てられています。確かに農地が宅地化すると、本来の目的であります灌漑用水の役目は終わります。

本日は年に一度、田植え前の「ゆる抜き」に備えた、農業用水の掃除の日です。2~3日前から掃除した土石を、用水の脇に置いているのを農家の人々が一輪車やトラックで回収します。

われわれ非農家もここを生活排水先としているもので、当然土石を上げて掃除をします。これが終われば、大小の池のゆるを抜いて水を流し、順番に田に水を入れて田植えとなります。

遠い昔は、「香川用水」が出来るまでは水不足が今より激しくて、線香を立てて、流水時間を調整したという話しもあるくらいです。

香川用水は、昭和43年(AD1968年)から昭和49年(AD1974年)にかけて作られた全延長106kmの水路で、農業用水・水道用水・工業用水が流れる共用区間と農業用水だけが流れる農専区間があります。この区間は、上下の高低差で、高知県の早明浦ダムから頂いた水を、徳島県の池田ダムに落として、香川県に入って県の西端から東端まで106キロを旅します。

先の農業用水路と、この香川用水は繋がってはいません。独立した水系ですが、どちらも讃岐の米作りに、なくてはならない構造物です。

また生活排水の場としての農業用水路も、下水道が整備されて来ているのでやがては役割を終えることになると思いますが、「いでざらい」は私の代では死ぬまで、出来なくなるまで続くと思います。私も出張の前に、自分の自宅の回りの水路を、潜り込んで掃除しました。これをすると何だか落ち着くのです。

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