大谷翔平に見る商売繁盛の基本4/8
衆議院選挙が終わり、『東洋の鉄の女=高市早苗』が誕生しました。有史以来日本は、困った時には女帝が登場しています。卑弥呼のイメージとは少し違いますが、天照大神より周りの声に耳を傾けそうです。大谷の第4弾、第2章の5に『3つの平等な財産の関係性とその活用』に、稲盛和夫氏の成功の方程式、『人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力』が登場しています。著者の田中真澄氏はある種、評論家です。
心のあり方をしっかり持つことの大切さを、現代人はあまり重視しなくなりました。稲盛和夫塾長は『心のあり方持ち方が一番大事だ』と唱えています。2010年2月、稲盛氏が経営破綻した日本航空に再建のために乗り込んだ時、それまでの古い幹部は、稲盛氏の説く考え方を、『そんな当たり前のこと』としたそうです。そんな子どもでも分かることが出来なかった、だから倒産したのです。
今の大企業の幹部も一般社員も、そういう受け止め方をする人のほうがほとんどです。それは戦後の教育では、心の教育を全くと言っていいほどしてこなかったからです。その影響が、日本の30年に及ぶ停滞につながっているのだと思います。社会教育家・田中真澄氏は、『絶えざる基本徹底』と『絶えざる自己革新』が習慣の基本原則であり、その基本原則は『時間』『ことば』『こころ』の3つの分野において、それぞれ実践していく必要があると述べています。
ですから、『時間』『ことば』『こころ』の財産の有効活用でも、『こころ』の活用を最も重視していかなければならない。ここは、稲盛和夫塾長と同じ『考え方』が中心です。一般的に最近の傾向は、時間のかけ方が『短期完成』ですが、大谷は理解のある両親に恵まれながら、じっくりと野球の実力を磨いていきました。小学校時代から中学校時代にかけて、岩手県奥州市という地方の穏やかな雰囲気の中で、焦ることなく自由にのびのびと過ごせたことが、彼のためには非常に良かったのだと思います。
最近の傾向として、2016(平成28)年にリンダ・グラットン氏の『100年時代の人生戦略』が発刊されたことや、企業が副業を認めるようになったこと、さらにコロナ禍で在宅勤務を予備なくされたことなどが手伝って、自分の得手を磨くことに真剣に考える時間と環境ができたことが、自己啓発に関心を持つ大きな要因になったと言えるでしょう。日本のサラリーマンは長い間、年功序列・終身雇用制度に守られて、いったん就職したらそれで定年まで勤め、その後は余生という生き方に馴染んできたことで、すっかり勤め人根性が身についてしまいました。
この現象を著者の田中真澄氏は、『所属価値に生きる』と表現し、その生き方ではこれからの100年時代の人生は全うできなくなるので、所属価値で生きているうちに、自分の専門性を磨き、『存在価値で生きる』準備をして行こうと呼びかけています。この生き方変革に気づいた人は、サラリーマンの時代から『絶えざる自己革新』を積み重ね、定年までには何かのプロフェッショナルになる努力をしています。
サラリーマンからプロに転じた人たちは、自分の専門をしっかりと身につけておかねばなりません。その際、専門は一つに絞って磨くことが肝要です。『一専多能』の言葉は、専門形成が先であり、多能形成はあとでいいと理解することです。一方大谷は、小学校時代から二刀流の選手でしたから、二刀流が彼本来の専門力になります。
日本ハムの栗山監督はスカウトをかける最初から、大谷を二刀流の選手と捉えて、このまれな能力をどう育てるかに意識を一点集中していたと言われています。その点で大谷は実に運のいい男です。いい監督に出逢えました。そのことは、天が彼を成功へと導いたと言えるでしょう。明日第5弾は、佳境に入っていきます。