第5037回

空き家等の法制化から気になるマイホームに関する専門性

恩のある人から、以前に所属していた香川県中小企業家同友会高松第四支部外での講演を依頼されたのです。同友会はもう退会して数年を経過していて、今は次男が熱心に取り組んでいます。およそその組織で、退会後に話をする機会があるとは、夢にも思っていませんでした。

生きている上でのしがらみも、同友会在籍中は良く感じたものでした。確か在席最後の頃は、共同求人委員会に所属して、新入社員獲得と、社員教育に奔走していました。その頃の協力者に恩があるでしょうと言われれば、それはそれで否定出来ないのです。10年を超えて、私のような者を委員長として支えて下さいました。

もう一つ驚いたことに、支部例会で話す前に、「プレ発表会」なるものがあってここでまず拙い話の内容を聞こうというのです。これには飛び上がるほど、ビックリポンです。私もいろいろなところで話をしましたが、国土交通省の局長らの前でも、予行演習はありませんでした。これを先に聞いていたら、承けなかった?

それはともかくとして、対象者がこれまでと違って「不動産周辺知識の素人」さんばかりです。ここ数年は、関係者向けの話しに終始していました。結果、今回の機会に良い勉強をさせて頂きました。業界人なら当然知っている専門用語では、省略も割愛も出来ます。しかし今回は、舞台が今までと違います。

「低成長時代の賢い選択・マイホームと生活と」というお題ですから、住宅ローン減税の話しは組み込むことが出来ませんでした。最長90分、60分というからには、ブレゼン用のパワーポイントの枚数も30~40枚です。残念ながら、「住宅ローン減税」の話しは入れる余地がありません。

マイホームの取得の大きなポイントとなる「住宅ローン減税」を受けるためには、確定申告が前提となるともう一つ、「築後年数要件」があります。耐火構造(コンクリート造)は築後25年以内、非耐火構造(木造)は築後20年以内と決められています。

しかしこの築後年数要件には2つの緩和策があります。1つは「既存住宅売買瑕疵(かし)保険」を付保すること、もう一つは「耐震基準適合証明書」の取得であります。既存住宅と中古住宅は、全く同じ意味ですが、おかしなことに国土交通省の局によって使い方が替わります。

このいずれかの条件を満たせば、仮に築後100年のマイホームにも、住宅ローン減税の恩恵を受けることが出来るのです。まず既存住宅売買瑕疵(かし)保険の付保ですが、これはマイホーム売買の契約後、引渡しの前までの間に付保する必要があるので注意して下さい。

もう一つの「耐震基準適合証明書」の取得ですが、これは数年前から引き渡し後の取得でも良くなりました。しかしここでも、注意することがあります。まず引き渡し前に、「耐震基準適合証明書」の仮申請をしておくことが条件になっています。

これは、証明書を発行してもらう予定の建築時事務所などに、事前申請が必要になります。また証明書を発行してもらい、引渡しから6ヶ月以内に入居することが求められています。耐震改修工事は、工事期間1ヶ月前後ですから入居には問題はないでしょう。

しかしここで、問題が発生する恐れがあります。入居日の確定は、住民票の移転日で確認するのですが、住宅ローンを借りる場合に、抵当権設定登記のローン借主住所に新しいこれからの住所が求められたりします。また先に住所を変更した方が、所有権移転登記時の登録免許税が安くなることがあります。

従ってまだ引越が終わっていないのに、住民票を移すのです。基本的に住所地は、どこでも移すことが出来ます。皇居が住民票の住所だという日本人も、いると聞いています。

築後20年超の木造住宅を購入

↓

中古住宅売買契約の締結・手付金の支払い

↓

「耐震基準適合証明書」の仮申請

↓

木造住宅の引渡し・残代金の支払い

↓

耐震診断検査

↓

耐震改修工事

↓

「耐震基準適合証明書」発行

↓

入居

↓

確定申告

しかし以上の説明から、住宅ローン減税を受けるにはこれまでの常識と違う手続きが必要となることを理解頂けたと思います。これまでになかった制度には、これまでになかった要素が加わることは、ある意味当然と言えば当然です。

住宅ローン減税の1%減税は、銀行金利が安くなるのと同じです。仮に1.9%の借入金利の人の場合、1%減税は銀行から0.9%で借り入れるのと同じになります。確定申告は面倒だと言われますが、そんなことはありません。初年度1度やれば、あとは同じことの繰り返しです。

ネットで申告も出来ます。このことは先の講演原稿の中に盛り込むことが出来ませんでしたが、「低成長時代の賢い選択・マイホームと生活と」では、この住宅ローン減税は賢い方法の一つであることは間違いのないことです。

電話で相談 メールで相談