第2373回

あるご夫婦の年間顛末記

毎年この時期になると、とあるご夫婦が来社されます。滞納家賃を持参される訳ですが、通年であればわが社の仕事納めまでには入金に来られるのですが、今年はなかなかお顔がありませんでした。

今年はダメかと思いましたが、「ダメと思った時から始まる」という稲盛和夫塾長の言葉も、脳裏によぎります。電話をしても繋がりません。昼間は夫婦家族して、塗装の仕事で留守は当然です。

同時に私の中では、「あの○○さんご夫婦は必ず持参される。今年は一層苦しい時だけど、待っていたら必ずお越しになる」という確信がありました。また最後の大晦日になれば、「残念ながら督促に行こうと」とも考えていました。

結果的に本日、過去の清算全額とはなりませんでしたが、自主的に入金がありました。お金の入金は勿論大変嬉しいのですが、「約束が繋がった」という喜びもまたひとしおです。

この方は私より年長で、塗装職人さんですが、何と8人の子持ちです。もちろん孫さんもいらっしゃいますが、2人の子育てに悪戦苦闘の私からすると、神様みたいな存在です。そして古い長屋の修理は、ほとんど自費で隣の分まで片づけて、ほとんどクレームがありません。

もう2~3年したら、田舎の滝宮町で家を建てるということで退去予定ですが、もうしばらくはこの関係が続くと思います。あのニコニコ顔を、私は心のどこかで待っているのでしょう。

標題にあります年間顛末記ですが、ご夫婦で来られて、1年間の出来事を一通り教えて下さいます。建築業界は、大も小も大変です。私も小規模ながらその中心におりますが、支払の日と金額は確約しています。仕事をした人は、対価を貰っての評価ですから、それまでは安心は出来ません。特に今年は、「手形」の扱いが変わって、ほとんど手形での決済は出来なかったそうです。

庶民の暮らしの中にも、どうにか正月を迎えられそうな、平成20(2008)年の年の瀬です。

電話で相談 メールで相談